JTホール 吉野直子と仲間達

個人個人では何度もご一緒させて頂いた事があるメンバーですが、この5人で一緒に演奏するのは初めてでした。メンバーはハープの吉野直子さん、フルートの佐久間由美子さん、ヴァイオリンの川田知子さん、ビオラの鈴木康浩さん、そして僕の5人です。曲目が今日はハードでシビアでした。
モーツアルトの「アダージョとロンド」で始まり、シューベルトの「モーメント・ミュージカル」、ピエルネの「自由な変奏とフィーナーレ」、ドビュッシーの「子供の領分」、イベールの「二つの間奏曲」、そしてジョリベの「リノスの歌」。ずっと僕はフランスの作曲家は遠い存在だと思っていました。聴くのは凄く好きなんですが、なぜか自分には不向きかとずっと思っていました。今もまだその想いは無くなりませんが、今回のコンサートで、なにか今まで気づかなかった事を沢山発見できましたし、ちょっとフランスに触れたという喜びを感じる事ができました。
ドビュッシーの「子供の領分」はゲネプロからもう吐きそうで、こんなに緊張してどうなっちゃうんだろうと本当に怖かった。
本番はゲネプロよりかなり自由を得ましたが、ゲネプロでの恐怖感はもう笑うしかありませんでした。
ジョリベの「リノスの歌」は、これは難曲でした。でも吉野さん、佐久間さん、川田さん、鈴木さんが完璧に弾いていましたので、引きずられてなんとか終える事ができました。
今回、演奏会がうまく行ったとかそういうことより、十分なリハーサルが出来て(やろうと思えばまだまだいっぱいやる事はあったのでしょうが)、かなり突っ込んでリハーサルが出来た事がとても僕にはありがたく、勉強になりました。しかも今回は全て初めて演奏する曲ばかりでしたから。
リハーサルを沢山すれば緊張する事がなくなるなんてことは全くありませんが、本番でここぞという所で凄く助かる事が多かった様に思えます。

それにしても今日の演奏会の曲目達は僕のチャレンジでありましたし、ここ一ヶ月、背中に重くのしかかっていた5曲でした。
みなさんにそこまで迷惑かける事なく無事に終わった事にホッとしています。そしてこのコンサートに誘ってくれた吉野、佐久間両氏と、一緒に弾いてくれた川田、鈴木両氏に心から感謝したいと思います。