バッハの録音 その2

孤独な作業でした。
プロデューサーとかがいて、
「今のは良かった」とか
「真ん中あたりがちょっと雑になったからもう一度いきますか?」
とか言ってくれる人が一人でもいたらもっと気持ち的にも楽だったのかもしれません。

僕のレコーディングは自分がプロデューサーですし、演奏も僕、判断も僕と本当に
頼れるものが無いというのは本当に苦しかったです。

録って、聴いて、考えて、また弾いて録って聴いて考えての繰り返しだったので、
本当に孤独で孤独で、途中で「自分がどういう考えを持って弾いているのか」という事すら
あやふやになってきたりしていました。

今まで自信を持ってやって来た自分なりのボーイングを全て変えて録音した曲も沢山ありました。
慣れないボーイングでなぜレコーディングをしたのかすら、僕にはわかりません。
それは、「それが一番いい」と判断しただけの事で、どんどん不安になっていきました。

お客さんも一人もいないホールで死ぬ程緊張する事もありました。
「なんでこんなに緊張してるんだろう」と弾きながら思ってしまい、途中で止めてしまったこともあります。

でもたくさんテイクを重ねればいい演奏になっていく事は少なく、意外に1回目の演奏が一番良かったりする事が多いです。
でも荒削りなところが気になったり、いろんな理由で何度も録り直して行く事になりました。

孤独な作業でしたね。
あと一曲残っている6番を練習し始めようかと思っています。

今日は中央大学のオーケストラに行く予定でしたが、台風でキャンセルになってしまったので、練習をしますか。
それか、私の愛する中日ドラゴンズ日本シリーズをかぶりつきで応援しますかね。

応援する事に決めました。
勝ったら6番を練習いたします。