クラシックな休日

今年横浜開港150周年の年にあたり、神奈川県立音楽堂開館55周年という年でもあります。
そんな今年の神奈川県の百花繚乱のイベントの中の一つに今日のコンサートがありました。指揮者は藤岡幸夫さん、ピアノのソリストとして山下洋輔さん。神奈川県立音楽堂がオープンした年に書かれたショスターコービッチの「祝典序曲」や一柳さんのピアノ協奏曲第4番"JAZZ"他を演奏しました。
リハーサルから熱く指揮していた藤岡さん、素晴らしかったです。もちろん熱いだけではありません。あれだけいろんな想いやハーモニーの感覚を持ったエルガーの「威風堂々」を演奏した事がありません。素晴らしいかったです。良く演奏される曲だけに指揮者の方もオーケストラも1回スルーしてリハーサルが終わる事が多い中、藤岡さんが持つ想いがもの凄く伝わって来て、いい時間を過ごせたと思います。3日もリハーサルしましたが、いい3日間でした。そして山下洋輔さんが弾かれた”JAZZ"というピアノ協奏曲、素晴らしかったですね。「アドリブが凄い」とか「音量が凄い」とか「テクニックが凄い」とか、そういう事ではなく、あの瞬間にとても人間界に存在していないぐらいの集中力と突き抜け方に、一流とそうでない空間との差を見ました。ジャズはそんなに詳しい訳でもなく、アドリブの凄さがわかる訳でもありませんが、以前の山下洋輔さんを聴いた時より、突き抜けて破壊されたメロディやコードが何かいい意味で戻ってきている印象を持ちました。ある極限を見た人だけが帰って来れる桃源郷とでも言うのでしょうか、僕の耳でも感じられるコード感が妙にベテランのシンプルでも深い色を表現していらっしゃった様な気がしました。
当然お客さんは大熱狂。そりゃそうだ。あれを聴けばエキサイトしますよね誰でも。
客席で聴きたかったな。